SSブログ

クルマ探し in Europe (5) [ヒストリー]

金曜日、確認の電話を入れる。 まだ、クルマは売れていないらしい。 「お待ちしております」という営業担当(日本人専門)にクルマの値下がりの件を聞くと、「え、そうなんですか? なんか今日はインターネットの調子が悪いと言っておりましたが」 本当にこの値段が正しいのかは不明のまま。

土曜日、約束の時間(開店時間)より少し前に着いてしまったので、ディーラーの周りをぐるっと回る。 店に着くと向こうから担当らしき女性が。 簡単に挨拶をしてクルマのほうへ。 今は決算期だそうで、対象の車に限らず、バーゲン価格だという。 確かに街中でも、やたらとバーゲンセールをやっている。

件のクルマは、展示車の一番奥のステージ(ラダー)の上に乗せられていた。 出せるんか、これ? やっぱり試乗の件はちゃんと伝わってないのか、ドイツだから。 まずは、クルマを点検。 下回りは意外ときれい、ラッゲージ・ルームもきれい。 と、フェンダーにヘコ発見、いや、フェンダーだけじゃない、ドアにもルーフにも。 右も左も! ヒーっ! 車内もわりときれいだが、リアのコンソールに引っかき傷が。 シフトノブにも傷が無数。 (噛んだあと?) 

「なんか、運転の下手な女の人が乗ってたようなクルマですね」と、あきれ気味で私。 (そしてたぶん、犬か子供が同乗) 「このへこみはちゃんと板金で直しますから。 今は板金の人が休暇中ですが、8日に帰ってくるので、全部直りますよ」と担当の人。 それを聞いてちょっとだけ安心。 試乗ができるか聞くと、今すぐ準備してくれるとか。 まず、クルマをはしごから下ろし、何度も何度も切り返しをやる。 3人がかりだ。 その一番手前のクルマを下げたほうが楽なんじゃ?と思っていると、先方もそれに気づいたらしく、事務所からあわててそのクルマのキーを持ってくる。 

車の準備が整うまで、事務所でその他の話を聞く。 修理歴はリアを1回ぶつけて、バンパー交換+リアコンビ交換+板金少々。 それでリア周りはあんなにきれいなんだ。 でも、クルマの操縦性に及ぼすような癖さえなければ気にしない。 点検はすべてここでやっている。 1年保証がうんぬん、といったところでクルマの準備が整う。

「じゃあ、行ってらっしゃい。」 え、私一人で行くの? 普通は、店の人が同乗じゃないの? 「身元がはっきりしている方は、お一人でも結構なんですよ。 特に希望があれば同乗いたしますが...」 ということで、初ロータリーを単独走行で。 思えば、このクルマを探し出して3ヶ月あまり、長い道のりだった。

シートとミラーを慎重に合わせて、イザ発進。 ガラスやボデーサイドには「特価 14900ユーロ!」 「オートセンター ○○」の宣伝用Popが入ったままだ。 少し走ったところで、再調整。 私はクラッチをがっちりと踏み込むのが好きなので、シートを前に出す。 そしてシートを少し寝かせてミラーとの距離を確保しようとするが、それでも、ルームミラーと右のサイドミラーが近すぎる。 要するに足が短いってこと?

あいにく雨が降り出したので、慎重にアウトバーンに入る。 近くの空港まで行って、Uターンして約30分で帰ってくる予定。 インターチェンジで空港へ向かうルートに入ると、ここは120km/h制限だった。 アウトバーンは基本的に速度無制限だが、路線や場所によっては速度制限が設けてある。 うっかり見落とすと、先にはレーダーが待っていることもしばしば。

空港近くでUターンして、もう一度、速度無制限区間へ入る。 本線へ入るとき少し踏み込んで160km/hまで出す。 うん、滑らかな加速だ。(たぶん) 左右に振られるような変な癖もない。 クルマとしては問題ないんじゃないか? 板金を除いては。 

さて、ディーラーに戻ろうとアウトバーンを下りると、出口を間違えたことに気付く。 結局、ディーラーまでたどり着くのに1時間半もかかってしまった。 このディーラーでは、仮ナンバーが1枚しかなかったので、次のお客さんを少し待たせてしまった。 でも、おかげで高速をあっちこっち行ったり、街中をグルグル回ったりして、このクルマのことがよくわかった。(様な気がする)

ディーラーに戻って、「板金がちゃんと直るなら」という条件の下、即決で契約書にサイン。 なんたって、この値段は魅力。 今乗るか、一生乗らないか だ。 こうして、私もロータリー使いへの第一歩を踏み出した。

(この項 終わり)

 


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0