マイバウム [かるちゃあ?]
ドイツでは初夏になると、家の軒先に日本の七夕飾りのようなものを飾り付けます。
どうやら白樺の木に、赤や青やらの紙テープを飾りつけたもののようで、これが田舎に行くともっと豪華になります。
村の中心に10メートルはあろうかというポールを設置し、その上に飾り付けます。
まるで、鯉のぼりと七夕の融合です。 5月の昇天祭に近いので、きっとキリスト教関係の行事なんだろうなぁ、高ければ高いほど神との一体感を感じるんだろうなぁと思って知人に聞くと、「あれは年頃の女の子がいる家に、思いを寄せる男の子が求愛のしるしとして置いて行くのヨ」 うっそだー!! あんな巨大なものを男の子が置いて行くの?
これなんか20メートル以上ある。 宗教じゃなくて個人でこんなものを? 気になって別の知人に確認すると、やっぱり本当でした!!
これはMaibaumといって、英語ではMay Pole=五月柱と呼ばれるそうです。 5月に男の子が好きな女の子のいる家の前に夜中にこっそりとやって来て、このマイバウムを設置し、名前も告げずに去って行くのだそうです。 そういえば4月の終わりに白樺の木を持って電車に乗る若いニイチャンや、車の後ろに3メートルはあろうかという白樺を引きずって帰っていくやからを見かけたなぁ。 それにしても、なんかスゴイ。 通常は公認のカップルの間で行われるそうですが、中にはまったく心当たりのないもの、意にそぐわないものもあるそうです。 それでも縁起物ということで、特に撤去されることなく、5月中ずっとおいとかれるのだとか。
日本ならストーカー騒ぎになるよ。 女の子はPTSDになったりして。 年頃の娘さんがいる別の知人の家にも、まったく心当たりのないものが飾られたそうですが、そのままにしておいたとのこと。 ちなみに娘さんはまんざらでもないというか、悪い気はしなかったそうな。 まあ、女冥利には尽きるはねぇ。
ちなみにこのマイバウム。 期限が過ぎると、設置した男の子がまた人知れずやって来て、きちんと処分していくのだそうです。
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